「昭和の中坊(1)」末田雄一郎/吉本浩二

昭和の中坊 1 (アクションコミックス)

昭和の中坊 1 (アクションコミックス)


モテないサエない中学生三人組がエロ好奇心を満たすために
日々奮闘する姿を描いたマンガ。


健康な男子なら大体経験してるであろう「あるあるネタ」をリアルに描いている。
リアルだからこそ笑えて、感情移入すらできる。
1977年という時代背景も若造の僕には新鮮さを感じさせる。

そういえばB組の竹光!

このマンガの一番の笑いどころは上記のセリフ。
このセリフの後にはB組竹光くんの、伝説的なまでのエロ追求道*1が回想され
その回想から主人公ニゴシが「俺だって!」と奮起する。
そんなセリフが毎話出てくる。毎話笑う。


そしてたまに涙を誘うエピソードもあり。
やはりこれも元中学生男子ならば少なからず共感を覚え、ホロリとくるところ。


毎回エロネタで引っ張るかと思いきや、
作品内ではちゃんと時が流れていてそれによってエロとの向き合い方も少しずつ変化する。
まだ1巻しか読んでないんだけど、5巻で完結とのこと。
今後どんなイベントが待ち構えているのか。
読むのが楽しみであり寂しくもある。


以下、マンガにかこつけた僕の中学時代の思い出話なので読みたい人だけ。

僕が中学のときはちょうどインターネットが普及しはじめていたころ。
我が家にもCATVのインターネットが配備され、Haokah少年は大いにハシャいでいた。
このマンガの登場人物ほど情報が乏しかったわけではないけど、その貪欲さは負けず劣らず。
むしろ中学生男子なら平等に持ち合わせているものだと思う。


そんなインターネット攻勢の中、もちろんテレビも見ていた。
当時の情報源筆頭はやはりトゥナイト2。
山本晋也カントクや北野誠の大人電話相談室は
インターネットの薄っぺらいデータでは得られない
確かな情報を得ることができる重要な情報源だった。


そんなエロ中学生ライフを送っていた僕と友人らにある日ニュースが舞い込む。
「トゥナイト2、番組終了」
衝撃を受けた。


だけどいつか終わりが来ることを、僕たちは薄々感じてはいた。
終了間際のトゥナイト2は表現が控えめになっていて、
エロコーナーも目に見えて減少していたからだ。
それでも、偉大な先生であり先輩であったトゥナイト2の終了には動揺を隠し切れなかった。


僕たちは考えた。
これから続く僕たちの後輩は、トゥナイト2無しで中学生活を送るのか、と。
インターネットは確かに便利だけど、劇薬だって溢れている。
それらがいとも簡単に手に入る環境に生きる、彼らはどうなってしまうんだろう。


答えはいまだ出ていない。
でもこのマンガを通して「下世話な心配しなくても大丈夫なんじゃねぇかな」とも思った。
余計な不安は尽きないが、男子中学生はいつだってエロいことを考えている。
それは多分確かなことで、それはとても平和なことなんだろうなぁと思う。

*1:エロ本自動販売機の見本を手に入れるためコンクリブロックでガラスを割ろうとするなど、過激。