「おひとり様物語(1)」谷川史子

おひとり様物語(1) (ワイドKC)

おひとり様物語(1) (ワイドKC)


発売日一覧ではチェックしてなかったんだけど、
店頭でタイトル見て衝動買い。


20代女子の単身女子モノローグな短編オムニバス。
単身といっても遠距離恋愛をしてたり会う時間が少なかったりだとか
"実質"的なものも含む。


今までの谷川史子作品で一番好きかも。
ていうか一番心に響いた。
(って、この人の違う作品を読むたびに思ってるのかもしれんが)
とにかく響く。


男子の僕としては、この物語の主人公である女子たちの話をするのは
少し恥ずかしくなってしまうので男子の話でも。


少女漫画には得てしてスポーツ万能!爽やか!勉強も出来る!そりゃ惚れるわ!
ってな男子が平気で出てくるから、時に目も当てられない。
だから男子としては「そんな奴いねぇよ!」と心の中でツッコみながら読む。


でも谷川史子の描く男子はなんといってもカッコ良すぎないのが素敵。
女子のほうが断然輝いていてそれでいて弱さも備えている。
そんなところが同じ男子として共感がもてる。
そうそうタイミングよくカッコいいことなんて言えねぇよなーできねぇよなーていう
そういうかっこ悪さ、しょうもなさがリアル。
少なくとも僕にはリアル。


それでもストーリー面でのタイミングの良さ、いい意味での都合良さは個人的にはOK。
むしろ魔法のように自然と都合のいい展開に持ってくところが谷川史子の技術。
毎度ニヤニヤさせられております。


何が嬉しいってこの上質な短編集が続刊するということ!
ニヤニヤしながら続きを待っています。