「きのう何食べた？(1)」よしながふみ

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

いやー、よしながふみはハズレ無しだなぁ。
弁護士、料理、ゲイの三拍子が揃ってるし！*1

ゲイで四十代の男弁護士が料理をする話、なんてとっつきにくくて複雑そうに見えるのに
一話の時点ですでにスラスラと読める親切さ。
だからといって話自体淡白であっさりしているのかというと、
そんなこともなくて書くべきことは書いているから漫画として面白い。

特に料理を作っているときの思考だとか
スーパーで食材の値段を吟味する真剣さだとか
そういう部分でのリアリティは、笑えるけどためになる。
だってゲイで四十代の男弁護士がさあ！（しつこい）

僕自身、一人暮らしをはじめたあとで何も料理が作れないと困る、
というよりは、寂しいなと思っていたのでこういう漫画は心強い。
自分自身に対して「社会人だから外食しちゃえ」とか「コンビニでいいや」
みたいな言い訳をしないようにビジョンを描ける。

余談ながらカバーが薄くて透ける紙になっていて
中の表紙に書かれた料理メニューがうっすら見える装丁も特殊で面白い。*2
でもこの薄い紙、ゴワゴワしてて本体にピッタリくっつかないから
本棚にしまうのに少し苦労しそう。
装丁もいろいろと難しいもんですな。

*1:関連性はないと思うけど、よしながふみがたびたび作中で用いるモチーフ三つ。

*2:ちなみに装丁担当はhiveという方。検索したけど情報が見つからなかった。