「フラワー・オブ・ライフ(4)」よしながふみ

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)


この巻で終わり、と聞いてすぐに「えー!なんで!」と思った。
ここまでの話はすごく面白かったし
それにまったりと続いていきそうな気がしていたから。
だからてっきり打ち切りかとも思ってたんだけど、全くそんなんじゃなかった。


テンポを崩すことなく中身の詰まった素晴らしいラストだった。
マンガ的な特殊な状況を描きつつもそこにはちゃんと活きた人が描かれてる。
夢も希望も絶望も挫折もひっくるめて人生。


以下、ネタバレとファントーク
正直4巻読んでて読みながらかなり身悶えてた!


特に泊まりで漫画描きにいくハル太と
仕事やめた直後の姉ちゃんの会話あたりから。
明るくて気丈な姉ちゃんの「表には見せない暗さ」が出るシーンは
物語のなかでもかなりインパクトを与える部分になってて、
僕はそのたびにグワーって身悶える。


あと最後の2年始業式のシーン。
ハル太が出てこないままそれぞれが描かれていくのがまた!
「死んでるなんてことはないだろうけどいやまさか!」
と、ハタから見たらかなりのめりこんじゃってる状態なんだけど
一人で寝っころがりながら盛り上がってた。


冷静に考えるとこれって高校一年生のあいだだけの話なわけで。
メインキャラ以外の高校一年生はかなりミクロな話題が多い。
でもその辺を適当に描いてるわけじゃなくてすごく丁寧に
なんてことないけどなんてことなくない日常として描いてる。
だからこそ「普通」っていうのが際立つんだなぁ、と。
卒業まで描かないことがまたそれを強調してていいなぁ。


細かいところを挙げたらまたキリがないんだけど、
「みじけえ夢だったな・・・」とか、
ハル太母が父の甘さを指摘するとことか、
滋が本気でダメな大人だったこととか。


ていうか近くに誰か読んでる人いないのか!
ああー、この面白さを分かち合いたい。