タカノ綾個展「都会犬(。v・)/」

名古屋に行く用事があり、ついでにタカノ綾の個展を覗いてきた。


ちょうどSFマガジンに掲載されていた話の個展が
名古屋パルコに来ていたらしく、なんともグッドなタイミング。


内容はアクリルで描かれた絵画が40点ほど展示されるというもの。
他にもデカイ犬のぬいぐるみみたいなのがあったり、
個室みたいな空間に絵が飾られていたり、
CDプレイヤーがあってその絵にちなんだ音源をかけたり、
絵をモチーフにしたアニメがプロジェクタで投影されてたり。
とにかく不思議な雰囲気に包まれていて面白かった。


物語性がある作品が特に良い感じ。
「お告げ」っていうテーマの連作が妙に気になってたまらなかった。
トラックの運転手が道端の少女に何か言ってる絵なんだけど、
その雰囲気がなんとも言えず不思議な感じで引き込まれそうだった。


基本的に肉体の描き方がエロチックで、
色の塗り方に人肌の暖かみとそこから生まれるエロスを感じた。
それからおたく的美意識における性とかエロスが
明らかに存在してるなーとも感じた。
直接的な現実の性、じゃなくてもっと虚構な感じの。
男性が存在しない世界*1、とか。
おたく的文脈では当たり前のウソの世界。


帰ってきてからHPとか見ていろいろ考えてみるとまた面白い発見もあった。
漫画的なカットを使うっていう特徴があると言われてるみたいなんだけど
僕はそういうものに慣れすぎてて気付かなかった。
そう言われてみると人の配置とか構図とかが漫画の1コマみたいだった。
そういう所から普通に美意識を感じられる世代なのかもなぁ、と思った。
作者は当然意図してのことだと思うけど、僕自身が。
何も難しいこと考えなくても良いなぁ、と思える。


村上隆カイカイキキはそういう世代向けのアートなんだなぁ。
自分はもっと昔のおたくに憧れていて今のおたくにはなりたくない、
という願望があるんだけど、やっぱりそういうわけにはいかないみたい。
素直に村上隆を認めることは出来ないけど、
でもなんとなくでも良いなぁ、と思ってしまうところがある。
悪いことじゃないんだろうけど、諸手をあげて褒めるような
愚かな消費者にはなりたくないとは思う。


話が逸れたけど、まあそんな感じでまとまらずに終わり。

*1:存在していても男根としてしか存在しないような。