ハチクロとお金と仕事。そんでもってやおい。

買ってきたよ!MELODY4月号!
もちろん「対談:よしながふみ×羽海野チカ」目当てで!


少女漫画は買ってもアリだけど、
雑誌買うとなんか「ホンモノ」っぽくてヤバイ。
しかもアピタ*1の中の本屋。


それはともかく内容はすごく濃かった!
しかも巻頭に12ページ*2というボリューム!
漫画専門誌においてこの対談アリなの?
ユリイカあたりに任しておけばいいんじゃないの!?


内容の興味深いところを挙げるときりがないんだけど
とにかく二人の漫画を読んだことがある人にはぜひ読んでほしい対談。


結構長文になっちゃったので「続きを読む」のほうにまとめます。
内容は日記のタイトルどおり、
ハチクロとお金と仕事について。
あとやおいについて雑感。
僕自身のことも微妙に交えつつ。
興味がある人は続きをどうぞ。





まず、よしながふみが感じたハチクロの魅力について。

恋愛に対しては純情で、でも仕事には一生懸命

という表現にすごく共感。


恋愛に振り回されてワーっていうのを描くだけの作品ではなく
ちゃんと他の夢とか現実とかが存在してるのが好きなんだ。


とくにお金に関しての真摯さ、誠実さ。
芸術という分野でありながら、であるからこそ、
お金を稼ぐために働くということの大切さを説いている、と。


個人的にはお金が絡む話って結構苦手で、
たまに「お金なくても楽しく生きていける」なんて考えたりもする。
でもハチクロでは実はその辺が結構シビアに描かれてるんだなぁ。


僕は将来、普通にサラリーマンをやろうと考えているんだけど
そのことの尊さというか重要性を再認識した。
「普通に」ではなく僕はそれを選ぶという意識。
世間ではサラリーマンになって当たり前と言われるかもしれないけど
僕にとっては一つの選択であり、覚悟がある。
お金を稼ぐための仕事ではあるけれど、
お金を稼ぐというのはそれだけで重要なことなんだ、と。


具体的にどれくらいお金が必要か、というのは分からないけれど
僕がサラリーマンになって真面目に働けば十分稼ぐことは出来るはず。
当たり前のことなんだけど実は忘れちゃいけない、
感謝すべき大事なことなんだ。
頑張っていこうと思う。





話はいきなりとんでやおいの話。
やおいをやってた二人が
「男同士以外でもやおいの概念は成り立つ」
と言い切っているのが素晴らしい。
女同士でも男女でもやおい
恋愛ではなくお互いを認め合うことがこの人たちにとってのやおい
だから「はぐと山田」も「森田と山田」もやおい


確かによしながふみの作品の中でも
「恋愛では何か」が頻繁に描かれてて。
例えば「大奥」での坊さんと将軍様なんかも
一言に恋愛とは言い切れない関係だと思う。
というとやはり定義としては「やおい」がピッタリくるような。


やおいというとすぐにカップリングだとか
そういうものでイメージしてしまいがちだけど
そんな薄っぺらいもの*3ではなくて
もっと現実的な、それでもやっぱり漫画的で美しいもの*4
この人たちは描こうとしている。
対談中でよしながふみが「きな臭い」って表現してるのが
なんとも面白かったんだけど。


まあそう考えると同人誌でやっていたことも
ハチクロでやっていたことも変わりはないんだなあと思って
僕は妙に嬉しかった。
一見やおい的なものは潔癖なくらい排除されているんだけど
描こうとしているものにブレは無くて確かに美しいものがそこにある。
そういうところに純粋に惹かれたんだなぁと思うのです。





そんなわけでより深くこの二人の漫画を楽しめるようになる
かなり素敵な対談記事でした。
他にも面白い話がバンバン飛び出しているので
興味を持った人はお早めに書店へ!

*1:中部圏のショッピングセンター。ジャスコみたいなの。

*2:版型がそこだけ違っててA4の4/5くらいのサイズだった。でもスゴイ分量。

*3:とあえて言い切ってしまうと怒られるかもしれないけど

*4:友情とかそういうの