展覧会「女性美の表現」

浜松の美術館でやってる展覧会「女性美の表現」に行ってきた。


江戸時代のころから現代まで日本人が描いた女性の姿をずらっと展示。
美術の知識溢れる先輩から軽い解説を入れてもらいながら眺めて周ってみた。


やっぱこういうのは教養があると違うものだなあ。
同じ部活のみわこさんがキャプションを書いているというので見に行ったんだけど、
キャプションがあると素人でもいろいろ考えるきっかけが出来て良いです。




以下気に入った作品と一言コメントで。

  • 勝川春水「花下三曲合奏図」(江戸時代中期)

土間からちょっとあがったとこに着物の女性三人がかたまって座ってる絵。
「三人も居てなんかお得な感じですよね」って言ったら先輩に怒られた。
題名を見るとなんか合奏してたのかと思われるけど、どうだったかよく覚えていません。



  • 馬渕春涛「美人図」(昭和初期)

芸者さんがお座敷で踊っててその奥、襖を少し開けて二人の姉さんズがチラ見してる絵。
こういう明らかにストーリー性がある絵はいろいろ想像が膨らんで面白い。
姉さんズがこれがまたすごいいい表情してるの。
「何よ、あの子」みたいな。
それなのにやたらデカイ絵。



萌黄色の唐傘を差した花柄着物のお嬢さんの絵。
構図としてはバストアップくらいで、傘が効果的に使われてる。
配置とか色使いがファンシーかつポップで柔らかな感じ。
傘、着物、肌それぞれの質感が描き分けられてて丁寧。
分かりやすくて好き。



  • 中村貞以「稽古」(昭和中期)

お座敷で一人で芸の稽古をしてる女役者の絵。
引き締まった役者の表情が凛々しくてカッコイイ。
色使いもグレーを基調にかなりシブめで雰囲気を出してる。
やっぱりいろいろ想像を膨らませて楽しい絵。



  • 富永直樹「高原の少女」(昭和後期)

北欧系の民族衣装を着て立つ少女のブロンズ像。
民族衣装にはとかく弱い。
そして北欧系と言えばおさげ。
牧場の少女カトリ
いや、見たことないけどそんな感じ。
造りも丁寧。
大胆なのもいいけどやっぱこういうのをモチーフにしたら
丁寧に作ったほうが嬉しい。




実際に展覧会に行くまでは「どれも同じ感じかなぁ」とか思ってたんだけど
そんなことはなくて絵のシチュエーションによって表情や仕草、着物の色合いなんかが
かなり個性的に表現されていて驚いた。
特に着物の柄が状況をよく反映していて面白かった。
着物自体の差異をそんなに注意深く見たことがなかったけど
柄や色合いでこんなにもイメージが変わるものなんだなぁ。
洋服よりも物語性が強い気がした。
まあ、そりゃ作品になってるからか。




フィギュアとか模型とかの展覧会も面白いけど、
たまにはこういうメインカルチャーの展覧会や催し物も見に行くと
人生の楽しみ方の幅が広がるなぁ、と思った秋の午後でした。まる。