「よつばと!(5)」あずまきよひこ

よつばと! (5) (電撃コミックス (C102-5))

よつばと! (5) (電撃コミックス (C102-5))


うーん、やっぱり面白いな。よつばと!
単調な日々を描いているだけ、のはずなのに飽きない。


よつばとあめ」を読んでいて映画を見てる感じだなーと思った。
漫画の感じがないっていうか。
「自然」なんだろうと思う。


なんらかの媒体を通じて表現をするとき本来ある自然さは劣化して失われてしまうもので、
漫画なんかはむしろ自然さを出すよりも過激な表現で状況をあらわすことが多い。


もちろんよつばと!にもオーバーな漫画的表現は多用されている。
でもそれらのシーンを繋ぐのはすごく自然な生活の描写で
しかもそれが効果的にわざとらしくなく挿入されている。


ディティールの細かさもあいまってのことだろう。
実写の映画ならば小道具を持ってきてそれを画面に映すだけでいい。
漫画だと細かいところを描くのは手作業だ。
よつばと!では当たり前のように空間を作り出している。
ビデオレンタル店だったり女の子の部屋だったり*1
よつばとてつだい」で風香が足上げ運動をしながらハチクロ読んでるのも
グッとくるシチュエーションだなー、とか。


5巻ともなると話の構成も面白くなっていて、
違う話を展開するときも前の話の続きの要素を入れて連続感を出してる。
いちいち小ネタ挟んでくるようになったのも面白かった*2


いろいろ長くなったけど、何が言いたいのかというと
僕はやっぱり恵那がいいなーっていう、そんだけ。

*1:女の子の部屋を描かせたらばらスィーもスゴイと思う。あれもディティールに支えられた作品を描く作家だ。

*2:レンタルビデオの動物炸裂シリーズとか。